映画Matrixに現代の食生活を見る(ネタバレ)
私たちは選択を迫られている。
体に悪いとわかっているおいしいものを食べるか。
それを食べずに理想の肉体を手に入れるか。
大げさないいかたをすると
トレーニーやダイエッターは肉体を取り戻すという厳しい現実世界に生きていて、そうでない人たちは虚構世界の「無知の幸福」を貪っている
映画の「Matrix」を覚えていますか。
そのなかで、次のようなくだりがあります(ネタバレ)。
そんなサイケな展開の中で、主人公側の仲間の一人、サイファーと呼ばれる人物が、主人公ネオたちを裏切るというシーンがあります。そのシーンでサイファーは、敵側のエージェントたちが準備した、超豪華なレストランで肉を食いながら、こんな事を言います。
「この肉も、実在しないんだよな?」
そう、サイファーが食べる肉も、そして準備された超豪華なレストランも、コンピューターが作り出している「夢」でしかないことを、サイファーはすでにわかっているんです。そしてこう一言言う。
「プラグを外されて9年、俺は理解したよ。”無知は幸福”」
サイファーはつまり、荒廃した現実世界を知って絶望するよりも、マトリックスが見せる楽しい夢のほうが、仮にそれが虚構であったとしても、それに気づかなければ幸福であるということ言いたいのです。厳しい現実世界が課すつらい宿命を生きるよりも、マトリックス内で幸福な夢を見させられているほうが、生きている意味があると判断して、主人公たちを裏切ることになるんですね。
- 引用元:「 僕らの世界には、すでに「オフライン」など存在しない(あるいは、「マトリックス」は今でも「幸福な悪夢」なのだろうか)」
(このサイトは現代のデジタル社会のことを書いていてなかなかおもしろいですよ。)
私達を取り巻く世界もこれと似たようなものに思えてならない。
テレビやちまたではグルメ番組やグルメイベントばかりで、カロリーや脂質に関係なく次から次へと様々な食べ物が紹介される。
しまいには大食い自慢の女性までがもてはやされる。
まさに”無知は幸福”なのだ。
私は脂質制限を始めてから揚げ物は食べないようにしている。
そのことを誰かに話すと「ギョッ」と驚かれる。
それは揚げ物を食べることが現代人の常識になっているからにほかならない。
しばらく揚げ物を食べないでいると揚げ物は本当に食べ物だろうかと思えてくる。
現代においてもナチュラルな生活をしている世界中の多くの人々は揚げ物を食べていない。
現代人は揚げ物を食べることが常識となっている虚構の世界に生きていると言えないだろうか。
そんな世界のそばで私達のようなダイエットや筋トレやボディメイクをする者はカロリーや脂質を制限した食事を毎日続ける別の世界を生きている。
それはおいしいものを食べるよりも大事なことがあるからだろう。
自分を高めるのか、自分をおとしめるのか
食べるものを通して我々は試され、
そしてその選択によって全く別の世界を生きることになる。
それはまるでMatrixの仮想世界と現実世界ほど違う世界に住んでいるようなものだ。
さて、あなたはどちらの世界の住人になりますか。
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